【会場探しが難航?】スポーツスタジアムがドローンショーに向いている理由

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ドローンショーは会場探しが難しい!

ドローン飛行に適した環境探し

ドローンショーの会場探しが難しい理由は、技術的、規制的、安全性、運営面など、多岐にわたる課題が絡み合っているからです。特に代表的な要因は下記のようなものになります。

  • 安全面:
    ドローンを飛ばすには、まず安全性の確保が最優先です。ドローンは人や建物に衝突するリスクがあるため、観客とドローンの飛行ゾーンを明確に分ける必要があります。これには広大な空間が必要ですが、都会の密集地では適切な場所が限られています。
  • 法律・規制:
    日本では、ドローンの飛行には航空法など複数の法律が適用されます。特に、人口密集地域や夜間での飛行には厳しい制限があり、事前に許可を取得しなければなりません。この手続きが会場選定をさらに難しくしています。
  • 周辺環境への影響:
    騒音や光害が近隣住民に与える影響も問題です。ドローンの飛行音やショーで使用する音響、照明が周囲に迷惑をかける可能性があるため、周辺環境に配慮した場所が必要です。こうした要件を満たすロケーションは限られており、スケジュール調整の困難さも加わります。

以上のように、ドローンショーの会場探しにはさまざまな制約が伴いますが、地域の未利用地の活用や専用施設の整備といった解決策が模索されています。このような課題に対応しながら、魅力的なショーを実現するには柔軟な計画と協力体制が不可欠です。

スポーツスタジアムとの相性が良い理由

難航しがちなドローンショーの会場探しですが、スポーツスタジアムが適していると考えられる理由は以下のような環境が整っているからであると考えられます。

  • 広大な空間:
    スポーツスタジアムは大規模なイベントを開催するために設計されており、観客席を含む広い敷地と高い天井もしくは天井が開いた設計が特徴です。これにより、ドローンが十分なスペースを使って自由に飛行でき、ショーの演出に多様性を持たせることができます。
  • 観客席の配置:
    スタジアムの観客席は円形や楕円形、もしくは四角形で囲むように配置されていることが多く、どの位置からでもショーを見るのに適した視界が確保されています。これにより、多角的に楽しめる設計のドローンショーが多くの観客が楽める造りとなっています。
  • 安全性・利便性:
    スタジアムでの公演の場合、競技場上空が飛行エリアとなり、観客席との距離感を分離できるためトラブルが低減されます。また、ドローン自体は地に触れることがほとんどないため、競技場内の設営や整備の必要やダメージを与えるリスクもほとんどありません。
  • 照明設備:
    スポーツスタジアムには高性能な照明設備が整備されており、ドローンショーのために暗闇を効果的に演出したり、特定の演出を強調する照明効果を追加したりすることが可能です。
  • 音響システム:
    スタジアムには大規模な音響設備が備わっており、音楽やナレーションを組み合わせたドローンショーを実現するのに適しています。これにより、視覚と聴覚の両方を活用した臨場感あふれる演出が可能になります。

※しかし、まだ日本のスタジアムでの公演は観客とドローンショーの距離間の確保の都合上、観客はスタジアム内、ドローンはスタジアム外で飛ばす形式が主流になっています。実際に日本のスタジアムでドローンショーの開催を検討する場合は、事前にスタジアム側に確認の上、ドローンの使用可否や飛行場所・方法を相談する必要があります。

出典元:フリー素材使用

日本国内のスポーツスタジアムの現状

利用率によって赤字のスポーツスタジアムも…

近年、スポーツスタジアムがコンサートやライブなどの試合以外にも利用されるケースは増えつつあります。しかし、広大な敷地と巨大な建造物、利用者が快適に過ごせるために配慮された設備には莫大な維持費がかかっています。

下記の表は、少々古い2016年に文部科学省より発表されたデータになりますが、有名なスタジアムでも支出と収益のバランスを保つことが難しい現状がうかがえます。

出典元:「国内主要スタジアムの現状」2016年 文部科学省より

スタジアム利用率・年間収支の改善策として

海外では、スポーツスタジアムで試合のハーフタイムでドローンショーが行われるだけでなく、スタジアムを貸し切ってドローンショーを開催するケースはすでに多く見られています。

イギリスでは、2024年12月19日(木)、20日(金)、21日(土)にグロスターシャー・カウンティ・クリケット・クラブの本拠地、シート・ユニーク・スタジアムにて「クリスマス・キャロル・ドローンライトショー」の開催が決定しています。

出典元:「A Christmas Carol: The epic drone light show coming to Bristol this Christmas 💫」Gloscricket 公式YouTubeチャンネル

また、昨年の冬には京都の亀岡市にあるサンガスタジアムでも、スタジアム内のフィールドにてクリスマスに向けたドローンショーが開催されています。

出典元:「京都初のドローンライトショー「First Impact2023」ダイジェスト映像亀岡市サンガイノベーションフィールド実証事業2023」【公式】Sinfonia by Toyo Onkyo 公式YouTubeチャンネル

スポーツスタジアムが豊富な日本でも、海外同様にドローンショーの実施が検討可能ではないでしょうか?また、スタジアムも年間利用率が上がることで、会場費や観客のチケット料金、飲食代などが収益として見込まれるのではないでしょうか?

≪Jリーグ試合会場の国立競技場で実施されたドローンショーはコチラ↓≫

ドローンショーへのハードルを下げよう!

日本ではドローンショーを見たことがない人がまだまだ多いだけに、ドローンの世間的イメージによって危険だと思われることも少なくないでしょう。

安全性や法律などの制限がある中でどのような環境ならばドローンショーが輝けるか、これらの問題を一つ一つ考えていくことが今後のドローンショー業界の課題になっています。

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参照記事:「令和5年度 スタジアム・アリーナ改革推進事業(スタジアム・アリーナが周辺地域に及ぼす経済効果の調査等)
事業報告資料」文部科学省

この記事を書いた人

早稲田大学卒業。
幼少期はをアメリカで過ごし、英語・韓国語・日本語が話せる。
韓国系エンタメ企業でK-POPイベントの企画運営、ドローン業界でマーケティングを担当。
現在は弊社で広報PRを務め、通訳・翻訳業務や、海外案件にも対応可能。

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