近年、夜空を彩るエンターテイメントとして注目を集める「ドローンショー」。 企業イベントや地域のお祭りを盛り上げる斬新な演出として、その需要はますます高まっています。しかし、「ドローンショーに興味はあるけれど、何から始めれば良いのか分からない…」 「費用や手続きが複雑そう…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ドローンショーの企画から開催までの具体的なステップや費用、法律、安全対策まで、初心者にも分かりやすく解説します。
ドローンショーとは?

ドローンショーは多数の小型無人航空機(ドローン)が夜空に舞い上がり、光と動きでさまざまな図形や文字、アニメーションを描き出す、新しいエンターテイメントです。近年、イベントやプロモーション、地域活性化など多様な目的で活用され、その魅力は世界中で注目されています。
ドローンショーの仕組み
ドローンショーは、数百から数千台のドローンが連携し、事前にプログラミングされた動きで飛行することで実現されます。その背後には、高度な技術が用いられています。
まず、すべてのドローンはGPS(全地球測位システム)やRTK(リアルタイムキネマティック)と呼ばれる高精度な測位技術によって、自身の位置を正確に把握します。これにより、各ドローンはミリ単位の誤差で指定された位置へ移動することが可能です。
次に、MIMO通信(Multiple-Input Multiple-Output)などの無線通信技術を用いて、地上に設置された制御システムと常に情報をやり取りします。この制御システムが、各ドローンの飛行経路、速度、LEDライトの点滅パターンなどをリアルタイムで管理し、全体として一つの巨大なスクリーンを作り出すのです。
また、飛行するドローンはそれぞれが衝突しないよう、搭載されたセンサーや制御システムによって常に距離を保ちながら飛行します。これらの技術が一体となることで、まるで夜空に絵を描くかのような、精密でダイナミックな演出が可能となります。
ドローンショーの種類
ドローンショーは、その規模や演出内容によって多岐にわたります。主な種類としては、以下の点が挙げられます。これらの要素を組み合わせることで、イベントの目的や予算に応じた様々なドローンショーが企画されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用ドローンの数 | 小規模なショーでは数百機、大規模なショーでは数千機~数万機が使用されます。台数が増えるほど、より複雑で精密な表現が可能になります。※海外だと数万機を使用する場合もあります。 |
| 表現内容:文字・ロゴ | 企業名やイベント名、メッセージなどを夜空に表示し、ブランディングや告知に活用できます。 |
| 表現内容:2D図形・アニメーション | 平面的な図形の形成や、簡単な動きを伴うアニメーション表現が可能です。 |
| 表現内容:3Dアニメーション | ドローンを立体的に配置することで、奥行きのある表現や空中に浮かぶオブジェクトの演出ができます。 |
| 開催場所:屋外 | 広大な空間を活かした大規模演出が可能で、多くの観客を魅了できます。 |
| 開催場所:屋内 | 天候の影響を受けず、精密な動きや光の演出が可能ですが、飛行スペースの制約から小規模なショーが中心となります。 |
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屋外ドローンショー開催までのステップ

ドローンショーを成功させるためには、計画的かつ段階的に準備を進めることが不可欠です。ここでは、企画立案から実施までの具体的なステップを解説します。
企画立案:目的とターゲットを定める
ドローンショー開催の第一歩は、目的とターゲットを明確にすることです。新商品の訴求、ブランドイメージ向上、観光誘客、記念イベントの演出など、期待する効果を具体化することで、演出内容や規模の方向性が定まります。
同時に、来場者の年齢層や興味関心などターゲット像を設定することも重要です。目的とターゲットが整理されることで、予算や開催時期、会場選定の検討が進み、実現性や費用対効果の判断もしやすくなります。
申請手続き:飛行許可申請について
ドローンショー実施に不可欠なのが、航空法に基づく飛行許可申請です。夜間飛行やイベント上空での飛行、人が集まる場所での運用には、国土交通省の許可・承認が必要となります。申請は「ドローン情報基盤システム(DIPS)」を通じて行い、飛行計画や安全対策、機体情報など詳細な書類提出が求められます。
許可取得には一定の期間を要するため、開催日から逆算し、余裕をもって準備を進めることが重要です。
ちなみに屋内ドローンショーの場合は航空法の規制はありません。ただし、お客様にぶつからないよう配慮し、演出を行います。
準備:機材、場所、業者選定
企画と申請の目処が立ったら、具体的な準備に入ります。ドローン本体や制御システム、演出用LEDなどの機材は専門性が高く、多くの場合は専門業者が対応します。会場選定では、障害物の有無や風の影響、観客の安全確保が重要です。
加えて、電源や音響、動線設計も考慮する必要があります。成功の鍵となるのが業者選定で、実績や安全管理体制、提案力を比較し、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。
実施:当日の流れと注意点
ドローンショー当日は、機体点検や最終確認、テスト飛行を経て本番を迎えます。進行中はプログラム通りに運航し、終了後は安全に機体を回収します。注意すべき点は天候対応で、強風や雨天時の中止基準や代替案を事前に定めておくことが重要です。
また、観客の安全確保を最優先とし、飛行エリアの区分や安全距離、緊急時対応体制を整えます。専門業者と連携し、万全の体制で臨むことが不可欠です。
ドローンショーにかかる費用
ドローンショーの開催を検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。ここでは、ドローンショーにかかる費用の内訳、一般的な相場、そして費用を効果的に抑えるための具体的な方法について解説します。予算計画を立てる際の参考にしてください。
費用の内訳
ドローンショーの費用は、様々な要素によって構成されています。主な内訳は以下の通りです。これらの項目が組み合わさって全体の費用が算出されます。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| ドローン本体費用 | 演出に使用するドローンの機体費用。 |
| プログラミング・デザイン費用 | ドローンの飛行経路や光のパターンを設計し、専用ソフトウェアでプログラミングする費用。 |
| 人件費 | ドローンパイロット、オペレーター、安全管理担当者など、ショーの運営に関わるスタッフの人件費。 |
| 申請代行費用 | 飛行許可申請やイベント開催に必要な各種申請手続きを業者に代行してもらう場合の費用。 |
| 会場費 | ドローンショーを実施する場所のレンタル費用。 |
| 保険料 | 万が一の事故に備えるための損害賠償保険などの費用。 |
| 輸送費・設営費 | ドローンや機材の運搬、会場での設営・撤収にかかる費用。 |
| 演出機材費 | 音楽、照明、特殊効果など、ドローンショー以外の演出に関わる費用。 |
費用相場
ドローンショーの費用は、ドローンの台数、演出内容、開催期間、場所などによって大きく変動します。具体的な金額レンジは以下の通りです。
小規模イベント(ドローン100〜200機程度)
100〜200機の小規模ドローンショーは、定番として多くのイベントで採用されている規模です。複雑なアニメーションやキャラクター演出が可能で、物語性のある構成にも対応できます。費用相場は約200万〜600万円で、集客や話題性を高めたいイベントに適しています。
中規模イベント(ドローン300〜600機程度)
300機以上の中規模ドローンショーは、強いスケール感と高いSNS拡散力が魅力です。夜空を活用したダイナミックな演出が可能で、費用相場は600万円以上が目安となります。
大規模イベント(ドローン700機以上)
大規模なフェスティバルや国際的なイベント、長時間のショーなど、非常に高度な演出を求める場合、1,400万円以上、場合によっては数千万円に及ぶこともあります。
あくまで目安であり、使用するドローンの性能や演出のオリジナリティによっても費用は変動します。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。
費用を抑える方法
ドローンショーは高額になりやすい演出ですが、工夫次第でコストを抑えることが可能です。ドローンの台数を絞り、ロゴ表示やシンプルな演出にすることで、制作や人件費の削減につながります。
さらに、同一会場で複数イベントを連続開催すれば、輸送や設営費を分散できる可能性があります。地域活性化を目的とした補助金や助成金の活用も有効です。加えて、設備が整った会場や使用料の低い場所を選ぶことで、全体のコストを抑えながら効果的なドローンショーを実現できます。
安全にドローンショーを開催するために

ドローンショーを成功させるには、華やかな演出だけでなく、安全確保と法的規制の遵守が不可欠です。万が一の事故を防ぎ、イベントを円滑に進めるためにも、開催者は関連法規を理解し、徹底した安全対策を講じる必要があります。ここでは、ドローンショー開催にあたって特に重要な法規制と具体的な安全対策について解説します。
関連法規と規制
ドローンショーは、航空法をはじめとする複数の法律や条例の適用を受けます。これらの法規を遵守しなければ、罰則の対象となるだけでなく、イベントの中止や信頼失墜にも繋がりかねません。主要な関連法規は以下の通りです。
航空法
航空法は、ドローンの飛行に関する最も基本的な法律であり、ドローンショーを実施する際には必ず理解しておく必要があります。特に、飛行場所や飛行方法に関する規定は厳しく、事前確認と申請が不可欠です。
飛行禁止空域の確認
空港周辺や地表から一定以上の高度の空域、人口集中地区に該当する場所では、原則としてドローンの飛行が禁止されています。ドローンショーの開催予定地がこれらの空域に含まれないか、事前に地図や国土交通省の資料を用いて確認することが重要です。
飛行方法に関する制限
夜間飛行や目視外飛行、人や建物に近接した飛行、イベント上空での飛行などは原則として制限されており、国土交通大臣の許可・承認が必要となります。ドローンショーはこれらの条件に該当するケースが多いため、事前申請を前提とした計画が求められます。
無人航空機登録制度
一定重量以上のドローンは、国への機体登録が義務付けられています。ショーで使用するすべての機体が正しく登録され、識別情報が表示されているかを事前に確認する必要があります。
小型無人機等飛行禁止法
国の重要施設やその周辺では、安全確保の観点からドローンの飛行が禁止されています。開催地がこれらの施設の近隣に該当しないか、距離制限を含めて慎重に確認することが重要です。
電波法
ドローン操縦に用いる電波は電波法の規制対象となります。適切な無線設備を使用し、周囲との電波干渉や混信を防ぐための対策を講じる必要があります。
地方公共団体の条例
自治体によっては、公園や公共施設でのドローン飛行を制限する独自の条例を設けている場合があります。開催地の自治体へ事前に確認し、必要な許可や手続きを確実に行いましょう。
安全対策:事故を防ぐために
ドローンショーにおける安全対策は、法的遵守だけでなく、観客、スタッフ、そしてドローン機材を守る上で極めて重要です。具体的な対策としては、以下のような項目が挙げられます。
これらの対策を講じることで、ドローンショーの安全性を最大限に高め、観客に安心して楽しんでもらえる環境を提供できます。
詳細な飛行計画の策定
ドローンショーの安全性を確保するためには、事前の飛行計画策定が不可欠です。飛行ルートや高度、速度、ドローン同士の間隔などを具体的に定め、全体の動きを可視化します。あわせて、緊急時に備えた対応手順も重要です。異常発生時の緊急停止方法、安全な着陸地点、機体回収の流れを明確にしておくことで、万一の際にも迅速な対応が可能となります。
緊急停止システムの導入
異常が発生した場合に備え、全ドローンを即座に停止、または安全な場所へ自動着陸させる緊急停止システムの導入が求められます。特定の機体に不具合が起きた際でも、他のドローンに影響を与えず個別制御できる仕組みが理想的です。こうしたシステムにより、被害の拡大を防ぎ、安全性を大きく高めることができます。
気象条件の厳格な管理
ドローンショーは天候の影響を受けやすいため、風速や雨、雷などの気象条件を常に監視する体制が必要です。あらかじめ中止や延期の判断基準を設定し、基準値を超えた場合は速やかに判断できるようにします。特に風速は飛行の安定性に直結するため、許容範囲を厳しく設定することが重要です。
観客との十分な距離確保
観客の安全を守るため、ドローンの飛行エリアと観客エリアの間には十分な安全距離を設けます。落下物や機体逸脱のリスクを考慮したバッファゾーンを確保し、物理的なバリケードや警備員の配置によって侵入を防止します。視覚的にも分かりやすい導線設計を行うことが、安全管理の質を高めます。
保険への加入
万が一の事故に備え、対人・対物賠償責任保険への加入は必須です。補償内容や補償額が、イベントの規模や想定されるリスクに見合っているかを事前に確認しておく必要があります。適切な保険に加入することで、主催者・運営側双方のリスクを最小限に抑えることができます。
経験豊富なパイロット・オペレーターの配置
ドローンショーの運営には、専門知識と実務経験を備えたパイロットやオペレーターの存在が欠かせません。複数名体制で監視・運用を行い、常に状況を把握できる環境を整えます。緊急時に冷静な判断と的確な対応ができる人材を配置することが、安全なショー運営につながります。
機材の定期的な点検と整備
使用するドローン本体やバッテリー、プロペラ、制御システムなど、すべての機材は事前に徹底した点検と整備を行います。異常や劣化が確認された場合は、速やかに交換や修理を実施し、安全性が確保された機材のみを使用します。こうした基本的な管理の積み重ねが、事故防止の土台となります。
ドローンショーに関するよくある質問(Q&A)

ドローンショーの開催を検討する際、多くの方が抱く疑問や懸念をQ&A形式でまとめました。ここでは、特に頻繁に寄せられる質問とその回答をご紹介します。
Q: ドローンショーは雨や風でも開催できますか?
ドローンショーは、基本的に雨や強風といった悪天候時には開催できません。安全な飛行のために、風速や降水量、視界などの厳しい基準が設けられています。具体的には、風速5m/s以上、小雨以上の降水、霧や視界不良の場合には中止となることがほとんどです。天候不良が予想される場合は、事前に予備日を設定するなどの対策が必要です。
Q: 開催場所はどこでも良いのですか?
ドローンショーの開催場所は、どこでも良いわけではありません。十分な広さがあり、周辺に高層ビルや電線などの障害物が少ない場所が適しています。また、航空法により、人口密集地での夜間飛行やイベントでの飛行には特別な許可が必要です。飛行禁止区域や、電波干渉のリスクがある場所も避けるべきです。専門業者と相談し、安全かつ法規に準拠した場所を選定することが重要です。
Q: どのくらい前から準備を始めるべきですか?
ドローンショーの準備は、企画内容や規模にもよりますが、一般的に3か月前を目安に始めることをおすすめします。特に、航空局への飛行許可申請や会場の手配には時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが成功の鍵となります。
Q: ドローンショーの費用はどのくらいかかりますか?
ドローンショーの費用は、ドローンの台数、演出内容、開催場所、期間などによって大きく変動します。屋内ドローンショーで数十万円から、屋外ドローンショーは数百万から、大規模なものだと数千万円以上かかることもあります。費用の詳細な内訳や相場、費用を抑える方法については、「ドローンショーにかかる費用」のセクションで詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。
まとめ:ドローンショー開催への第一歩
ドローンショーを成功させるためには、段階的な準備と的確な判断が重要です。まず、イベントの目的やターゲットを明確にし、それに沿った企画を立てることが出発点となります。次に、実績と信頼のある業者を選び、綿密な打ち合わせを重ねながら具体的な計画を形にしていきます。
あわせて、航空法をはじめとする関連法規を遵守し、十分な安全対策を講じることが不可欠です。本記事では、企画から費用、申請、安全管理、演出方法までを網羅的に解説しました。得た知識を活かし、まずは情報収集や業者への相談から行動を起こすことで、記憶に残るドローンショーの実現へと近づくでしょう。
ドローンショーの開催を検討している方は、一度White Crowへお問い合わせください。
